連載 作業療法を深める ㊵家族社会学
家族の多様化にどう対応するか(1)—「家族のオルタナティブ」の必要性
岩間 暁子
1
Akiko Iwama
1
1立教大学社会学部
pp.356-362
発行日 2020年4月15日
Published Date 2020/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202062
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家族の多様化とは?
現在,日本の「家族」は急速に多様化している.日本のさまざまな社会制度は,「日本国籍をもった,(民族的に)日本人同士の異性愛に基づく性別役割分業型の核家族」を前提としてきたが,こうした枠に当てはまらない人々が増加しているのである.
具体的にどのような多様化が進んでいるのだろうか.ここでは4つの側面から確認する.まず,未婚化の進行である.「国勢調査」のデータで「生涯未婚率(50歳時点で結婚したことのない人の割合)」の推移を確認してみよう.1970年(昭和45年)時点では男性1.7%,女性3.3%だったが,2015年(平成27年)には男性23.4%,女性14.1%まで上昇している1).未婚化は今後も進むことが予想されており,2040年には男性で約3割(29.5%),女性で約2割(18.7%)が未婚という推計値も出されている2).つまり,誰もが結婚して配偶者をもつ社会ではなくなりつつある.
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