理学療法の現場から
専門性=多様化?
古川 卓憲
1
1財団法人太田綜合病院附属太田熱海病院理学療法科
pp.193
発行日 2002年3月15日
Published Date 2002/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106004
- 有料閲覧
- 文献概要
近年,医療環境が大きく変化しようとしているなか,理学療法士の職域も,保健・医療・福祉の分野に大きく広がりを見せています.我々のような一般病院のなかでさえ,療養病棟や回復期病棟,通所リハ,訪問リハなど業務内容の多様化が進められています.と同時に,最近はスタッフ間の理学療法士としての意識や考え方にも少しずつ相違が生じるようになってきているのを感じます(当然のことでしょうが).
一方で,理学療法士の専門性をめぐる議論が各種の研修会や学会で行われています.この傾向は21世紀に入ってとりわけ顕著で,いわば多様化する環境のなかで専門性を問うという難しい時代になってきていることを痛感します.更に,EBMに代表されるように科学的根拠に基づく医療が要求されたり,WHOの障害分類が改変されたりと,理学療法を取り巻く環境もより複雑多様化しています.それだけに,我々理学療法士個人の責任の重さを感じます.だからこそ,理学療法の専門性について強く意識が働くのだと思います.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.