提言
Social Network Service(SNS)がつなぐ作業療法の未来
竹林 崇
1
Takashi Takebayashi
1
1大阪府立大学
pp.1304-1305
発行日 2019年12月15日
Published Date 2019/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201928
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この20年余りで,information technology(IT)は世の中を席巻し,瞬く間にヒトの生活に適応し,それどころかヒトとヒトをつなぐ頑強なツールとして,すでになくてはならないものとなっている.作業療法が属する医療や介護,そして地域といった分野でも,ウェアラブルデバイスを中心に,あらゆるモノがインターネットにつながるinternet of things(IoT)の実現により革新がもたらされ,ITが身近な存在となりつつある.また,筆者のようにITやIoTといった環境やデバイスが人生の半ばから世に頒布された世代とは別に,生まれたときからこれらの環境が整っている「デジタルネイチャー世代」が社会の中心を担っていく時代に移り変わりつつある.
さて,このようにITの発達により,情報が伝わる,広がる速度と範囲が急速に変わりつつある時代において,筆者が主戦場としている学術についても考えてみたい.筆者の研究領域はいわゆる臨床研究と呼ばれている.臨床において,作業療法にかかわるエビデンス(証拠)を示すことが主な仕事となる.そして,それを伝える部分において,今までは学術論文や学会発表が主戦場であった.例に漏れず,筆者もそれらの機会を利用し,1年目から新人プログラム内の発表,近畿学会,全国学会と徐々にステップを昇りつつ,大きな舞台で発信を続けていた.また,4年目からは,「発表は記憶には残るが,記録には残らない.事実として消えてしまう」という状況を認知し,より広く文字にとどめ,世間に問うために学術論文の執筆に力を入れた.
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