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Med.social Serviceの本質を活用している病院の一例
原 素行
1
1病院管理研修所
pp.365-371
発行日 1957年6月1日
Published Date 1957/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201235
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I.業務のオリエンテーシヨン
1.病院のケースワーカーが,Med.social serviceという文字通りに働かされている病院や療養所は案外に多くないという。日本病院学会第6回大会の席上,児島美都子さんが日本医療社会事業家協会がその会員から集めたアンケートによるデーターを掲げて,病院勤務者がこの悩みを最も多く持つていることを示した。この結論は医師たる院長の理解への批判となることはいうまでもなかつた。誠に残念な仕儀ではあるが,それは病院の在り方或いは病院機能ということが我が国では未だによく理解されて身についていないこととも一つはMed.social serviceという仕事が,我が国では病院医療に欠くべからざる重要性を帯びていることが広く理解されていないせいでもあろう。一口にいうと医師に患者の診療を行うためにMed.social caseworkerを補助者として使うことをよく知られていないということになる。この批判は我が国だけのことではなく,この業務が発達しているアメリカでさえ医師の同感を得ることは未だ充分ではないという。アメリカの医療社会事業士が病院に根を下すために焦げついた診療未収金の取りたてのような仕事までしたという。いや,今日でも未だそれが少しは行われているという。
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