増刊号 スポーツがもつ可能性—作業療法への期待
第3章 知的障害,発達障害とスポーツ
【COLUMN⑤】スペシャルオリンピックススーダンという団体(選手団と関係者)への支援活動—知的障害のある人の社会参加促進を目指して
岩吹 綾子
1
Ayako Iwabuki
1
1青年海外協力隊2017年度1次隊 スーダン
pp.851-853
発行日 2019年7月20日
Published Date 2019/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201798
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スペシャルオリンピックスは,知的障害のある人が選手として活躍する世界的な競技会である.オリンピックやパラリンピックと同様に4年ごとに夏季・冬季の世界大会が行われている.2018年3月にアブダビで実施されたスペシャルオリンピックス中東・北アフリカ大会に,スーダン共和国(以下,スーダン)は初めて選手選抜を行い,選手団というかたちで出場することとなった.
現在私は青年海外協力隊の作業療法士隊員として,北アフリカのスーダンで活動を行っている.配属先は首都ハルツームにある障害児・者通所施設で,主に知的障害や発達障害のある児童とかかわっている.スーダンはイスラム教徒が多く,神から授かった身体と能力をありのまま受け入れるという意識が強く,リハを行って能力を向上させるという考え方が薄い印象を受けている.活動を行う中で,知的障害のある人への偏見を目にすることもあり,障害があっても素晴らしい能力をもっていることをスーダンの人々に伝えたいと思うようになった.そこで,知的障害のある人の社会参加の促進を図りたいと思い,関係者に働きかけを続けた結果,スペシャルオリンピックススーダンという組織の活動にかかわるようになった.
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