増刊号 スポーツがもつ可能性—作業療法への期待
第1章 総論
4 スポーツ大会の概況とパラ卓球,障害者スポーツの支援活動について
小黒 修
1,2
Osamu Oguro
1,2
1アネックス湊川ホスピタル
2日本肢体不自由者卓球協会
pp.739-744
発行日 2019年7月20日
Published Date 2019/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201775
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はじめに
筆者は,神戸市にある認知症専門病院のデイケアに勤務しているOTである.幼少期に交通事故に遭い,左片麻痺の障害がある.筆者は障害者卓球の選手でもあり,試合に出ている.2019年(令和元年)10月12〜14日に開催される第19回全国障害者スポーツ大会(いきいき茨城ゆめ大会)の神戸市代表選手(卓球)に選ばれ出場予定である.それと併行して選手たちのケアもしている.つまり,OT,当事者,卓球選手,トレーナーという側面がある.また,当事者セラピストとして自身の当事者性と専門性を相互活用した活動に力を入れている.
活動の実際としては,日本肢体不自由者卓球協会の強化委員会に所属し,主にパラ卓球ナショナルチーム選手の合宿でのケア,トレーニングに従事している.
また,地元の兵庫県では全国障害者スポーツ大会での卓球選手団への帯同,マルチサポート事業(卓球と知的水泳の講義・実技)を担当している.
さらに2019年度からは,日本作業療法士協会での「障害のある人のスポーツ参加支援推進委員会(特設委員会)」の委員になり,地域における運動・スポーツへの参画支援にも参加している.
本稿ではまず国内外の主要なスポーツ大会について,概観する.次に筆者のパラ卓球,障害者卓球とのかかわりや経験を基に,OTが障害者スポーツにかかわる実際と今後への提案をしたい.
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