あなたにとって作業療法とは何ですか?・第44回
あなたにとって作業療法とは何ですか?
吉川 ひろみ
1
1県立広島大学
pp.951
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201416
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発見と希望
作業療法って何だろう,ヘンな仕事だなと,もやもやしていました.でもOTになってから,小さな発見はたくさんありました.作業療法室で「この人,こんなことができる」と発見するのは,うれしいことでした.1990年代に,クライエントの作業を見つける評価法であるCOPMと,作業がどのようにできるかを測るAMPSを知ったとき,もやもやが少し晴れたような気持ちになりました.
作業療法の中で,障害を負った後の人生にも,いいことがあると信じることができました.希望がビジョンになったのは,作業科学を知ってからです.どんな作業をどのように行うか(doing)から,自分の存在(being)が決まるという考えは,希望を生み出します.人生は,運命や誰かに決められたものではなく,自分でその気になったり,考えたりして,つくり上げていくことができます.作業から始めるという考えは,人や社会が未来に開かれている,変化を起こすことができると信じさせてくれます.
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