提言
高次脳機能障害者が社会参加をあきらめないための作業療法士の役割
會田 玉美
1,2
Tamami Aida
1,2
1目白大学
2目白大学大学院
pp.910-911
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201405
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私は大学で勤務するかたわら,東京都板橋区の中途障害者の支援を行うNPO法人の代表を兼任している.このNPO法人の支援対象の中心は高次脳機能障害者であり,地域活動支援センターであるデイサービスと,就労継続支援B型事業を運営している.また縁あって,同区の障害者地域自立支援協議会の高次脳機能障害部会長を拝命している.このような責任のあるボランティア活動を行う機会を与えてくれたOTという仕事に感謝するとともに,高次脳機能障害者を取り巻くサービスの現状がなかなか改善しないことに忸怩たる思いを抱いている.
高次脳機能障害は古くからOT,STをはじめとするさまざまな保健医療職が支援を行ってきた.しかし,わが国において障害者手帳の申請対象に認定されたのは遅く,2011年(平成23年)にようやく精神障害者保健福祉手帳に認定された.それから7年,高次脳機能障害者の支援を行う地域資源は年々増加している.しかし,一部のモデル的な地域を除いて,いまだ医療から障害福祉サービスへの移行が円滑に行われているとはいえない.またサービスの質もばらばらである.
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