増刊号 発達障害の作業療法
第2章 発達障害の支援と作業療法—幼児期から青年期・成人まで
5 支援機関としての「学校」の機能—神奈川県の特別支援教育の取り組み
笹田 哲
1
Satoshi Sasada
1
1神奈川県立保健福祉大学大学院
pp.759-763
発行日 2018年7月20日
Published Date 2018/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201374
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神奈川県の教育方針とインクルーシブ教育
今から約10年前に,特別な場で指導を行う特殊教育から,障害のある児童生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じて適切に教育的支援を行う特別支援教育へと大きく転換1)された.
「特別支援教育は,障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち,幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し,そのもてる力を高め,生活や学習上の困難を改善又は克服するため,適切な指導及び必要な支援を行うものである」2,3).これは「知的な遅れのない発達障害も含めて,特別な支援を必要とする幼児児童生徒が在籍する全ての学校において実施されるものである.さらに,特別支援教育は,障害のある幼児児童生徒への教育にとどまらず,障害の有無やその他の個々の違いを認識しつつ,様々な人々が生き生きと活躍できる共生社会の形成の基礎となるものであり,我が国の現在及び将来の社会にとって重要な意味を持っている」3).
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