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Key Questions
Q1:ミュージック・シェアリングの活動は?
Q2:障害がある児の楽器演奏に必要な工夫は?
Q3:音楽活動から得られたものは?
はじめに
社会福祉法人旭川荘では,世界的なヴァイオリニストである五嶋みどり氏が理事長を務める認定NPO法人ミュージック・シェアリングの応援をいただき,2007年(平成19年)に“旭川荘ミュージックアカデミー”が開講した.見ることも聴くことも,まして演奏することは初めてのオーケストラ.子どもたちは初体験の楽器演奏に戸惑いながらも楽しく練習をしてきた.
開講当時,筆者は旭川療育園に勤務しており,支援課職員から子どもたちの演奏時の姿勢の崩れについて相談を受けたことをきっかけに,OT 2名と共にボランティアとして支援することになった.今はミュージックアカデミーと作業療法室のつなぎ役として,筆者だけが不十分ながら継続している.
当初メンバーは旭川療育園(肢体不自由児施設)入所児8名,旭川学園(知的障害児施設)入所児10名である.社団法人 林原共済会,くらしき作陽大学の協力を得て,楽器をそろえることや学生ボランティアによる楽器演奏の指導を受けた.
現在は旭川療育園入所児5名,旭川学園入所児9名と旭川学園退園者2名が継続して参加している.楽器の指導は,施設職員と,一般のオーケストラに所属するメンバー,および旭川荘職員のボランティアである.子どもたちは,毎週土曜日,午前10〜12時まで練習している.音出しに始まり,個人練習,全体練習(オーケストラの体制にて),そして練習内容の記録と反省事項,感想をノートに書いて終了となる.約10年間の活動は表1の通りである.大きな発表の場を経験させてもらい,一回りも二回りも大きく成長させてもらっている.以下にその一部を報告する.なお,図1は昨年の旭川荘こどもまつりでの演奏場面である.
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