Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「サウンド・オブ・ミュージック」—ADHD的性質の長所と可能性を歌い上げる
二通 諭
1
1札幌学院大学人文学部人間科学科
pp.371
発行日 2015年4月10日
Published Date 2015/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200210
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公開から50年を経たアカデミー賞受賞作品「サウンド・オブ・ミュージック」(監督/ロバート・ワイズ:1965年)に,現代の視点をもって正対するなら,別の相貌がみえてくる.すなわち,マリア(ジュリー・アンドリュース)はADHD(注意欠陥多動性障害)系人物であるということだ.
本作は,見習い修道女のマリアが山の上で「The hills are alive(高原は生きている)With the sound of music(音楽にあふれて)…」と歌うあの名場面から始まる.といってもマリアのこの行動,修道院では規律違反.歌い終わった後,遠くから鐘の音が聞こえる.驚くマリア.礼拝に間に合わない,またやってしまった,というわけだ.
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