提言
在宅リハに従事する今だから伝えたいこと
久世 昭宏
1
Akihiro Kuse
1
1株式会社はんど はんどリハビリ訪問看護ステーション
pp.114-115
発行日 2018年2月15日
Published Date 2018/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201180
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はじめに
私は,養成校を卒業してすぐに地元のリハ専門病院の回復期リハビリテーション病棟(以下,回復期リハ)に勤務した.ちょうど介護保険制度が開始となり,回復期リハが新設され,医療・介護を取り巻く情勢が大きく変化しはじめたころである.勤務したてのころは,身体機能をいかにして向上させるかが焦点となり,その後ADLが重要視され,「できるADL」と「しているADL」のギャップをいかにして埋めるかという課題に対応した.そして,課題の発掘がICIDHの観点からICFへと移り変わり,IADLの確立,その人らしい人生を送るための支援へとリハは変化し,今はOTとして,地域の中でその人らしい人生を送るために何ができるかを模索している.
私が訪問リハに従事したきっかけは,病院から在宅へ送り出した後,自分たちのリハがどれだけ生活に役立っているのかを確認するためである.そして,私が訪問リハに携わって一番はじめに感じたのは,回復期リハで考えていた在宅での生活と実際の生活に大きなギャップがあったということであった.本稿は,私が感じた入院時の在宅生活イメージと実際の在宅生活でのギャップを通じて,入院中から取り組むべきこと,退院に向けて行うべきこと等,在宅へ送り出す側のセラピストに大切にしてもらいたいことをつづりたいと思う.
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