講座 リーダー論—組織をつくるOTたち・第4回【最終回】
OTの魅力・可能性を共有する—士会での組織づくり
宇田 英幸
1,2
Hideyuki Uda
1,2
1埼玉県立精神医療センター
2一般社団法人埼玉県作業療法士会
pp.1294-1299
発行日 2017年12月15日
Published Date 2017/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201136
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はじめに
県士会活動が楽しい.つくづくそう思う.埼玉県作業療法士会(以下,当士会)の仲間は常に前向きで,アイデアとエネルギーに満ちあふれている.一人ひとりの発想と行動が,相互に作用して大きなうねりとなり,想像もしなかった体験を供与してくれ,世界がすさまじい勢いで広がっていく.身体が疲れていても,時に気持ちが落ち込んでいても,当士会の仲間と話し,一緒に作業をすると不思議と元気になり,楽しくなる.これは会長を拝命してからさらに強く感じるようになった.
本稿は,「都道府県作業療法士会長としての組織づくりとリーダーシップのあり方を教示してほしい」という依頼に基づくものである.県士会長として,日々の本来業務を共にしていない,職場も立場も違うOTたちと,何を目指し,どう協働しているのかについて述べねばならない.これはむしろ筆者自身が教示を受けたいもの,というのが正直な思いであり,「とにかく楽しくやる!」ことくらいしかコツとしてお伝えできるものがないのだが,当士会の活動がどうして楽しいのか,どのようにして楽しめるようにしているのかを振り返ってみることは,いまだ判然としない筆者自身のリーダーシップと,何よりも当士会のこれからについて考察する好機になるだろう.そう割り切って筆を進めることにする.
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