連載 作業療法を深める ⑫ヘルスコミュニケーション
ヘルスコミュニケーション—ダイアローグが切り開く新しい地平
孫 大輔
1
Daisuke Son
1
1東京大学大学院医学系研究科 医学教育国際研究センター
pp.1122-1126
発行日 2017年10月15日
Published Date 2017/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201087
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はじめに
今,あらゆる分野や領域で「対話」が必要とされている.SNS等,コミュニケーションツールが発達した反面,現代では対面でお互いの声を聴き合う「対話」の時間は減ってしまっていないだろうか.特に,地域ごとに住民や関係者が協働しながら行う,さまざまな地域課題の解決に向けた実践や,地域包括ケア・健康づくり活動において,「対話」あるいは「ダイアローグ」は重要なプロセスとなる.そこで最も肝要なポイントは,地域住民と専門家が,より対等な立場で対話を行うことができるか,である.本稿では,非医療者と医療者間のヘルスコミュニケーションについて,特に,そうしたコミュニケーション活動において必要となる対話とファシリテーションの技術について解説する.また,フィンランド発の「オープンダイアローグ」等,新しいダイアローグのモデルについても紹介する.
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