増刊号 上肢・手の機能と作業療法—子どもから大人まで
第3章 疾患別 上肢・手の困難事例へのアプローチ—具体的介入例とポイント
15 自閉スペクトラム症の上肢の協調運動の問題と作業支援
岩永 竜一郎
1
Ryoichiro Iwanaga
1
1長崎大学生命医科学域
pp.824-828
発行日 2017年7月20日
Published Date 2017/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201011
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はじめに
自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder: ASD)は,社会コミュニケーションの障害と限局的で反復的な興味・行動・思考がみられることによって診断される神経発達症の一種である.ASD児はこれらの症状以外にも,さまざまな問題を有することがあり,協調運動障害もその一つである.ASD児の79%に明らかな協調運動の問題,10%に境界級レベルの問題がみられたことが報告されている1).このような協調運動の問題があるASD児には,粗大運動の問題がみられることが多いが,手を使った巧緻運動の問題もみられることが多く,それらへの支援が必要となることがある,そこで,ASD児の上肢の協調運動の問題と対応について述べたい.
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