提言
今,育みを学ぶ—社会の変化に対応するために
大西 満
1
Mitsuru Onishi
1
1藍野大学
pp.102-103
発行日 2017年2月15日
Published Date 2017/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200827
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2015年度(平成27年度)厚生労働省および文部科学省調査において,遂に児童虐待相談対応数が10万件を超え,小・中学校の長期欠席者のうち「不登校」を理由とする児童生徒数も約12万人を超えたという結果となった(平成27年度児童相談所での児童虐待相談対応件数速報値および平成27年度学校基本調査確定値).そして,まだまだ数字には現れない埋もれている支援が必要な子どもたちが多いのではないかとも予想されている.それに伴い臨床現場,特に発達・精神科領域において,この「虐待」,「不登校」といったwordを見聞きすることが増えてきているのではないだろうか.さらにいえば,私たちOTが対応する未来の対象者は,従来の疾患による対象者に加えて,虐待や不登校により身体や心が傷ついた子どもたちやかつての子どもたちが多数を占めてくるのではないかと予見できる.そして今後,対象児だけではなく保護者(養育者)への対応もより重要になってくると思われる.
現在まで作業療法の発達領域の対象は身体障害児や知的障害児・発達障害児であり,当然であるがOT教育においてもそれに関する知識や技術の習得と向上を図ってる.しかし,このような社会の変化を考えると,私たちOTは今までの知識や技術だけでは当該領域での対応が困難となることが考えられる.そこで今回,その対応策の参考の一つとして筆者が行っている「ボーイズタウン・コモンセンスペアレンティング®」を紹介する.
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