Japanese
English
特集 “こだわり”のある子ども(人)への支援—強度行動障害
強度行動障害がある人に対する作業療法—役割と施設職員としての心意気
Occupational therapy for people with intencity behavioral disorders
竹中 佳子
1
Yoshiko Takenaka
1
1旭川荘療育・医療センター
pp.1186-1190
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200739
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Key Questions
Q1:強度行動障害がある人の施設での生活の問題は?
Q2:知的障害者入所施設で働くOTの役割は?
Q3:人生を通した支援の必要性は?
はじめに
強度行動障害者とは,「精神科的な診断として定義される群とは異なり,直接的他害(噛み付き,頭突き等)や,間接的他害(睡眠の乱れ,同一性の保持等),自傷行為等が通常考えられない頻度と形式で出現し,その養育環境では著しい処遇の困難な者であり,行動的に定義される群.家庭にあって通常の育て方をし,かなりの養育努力があっても著しい処遇困難が持続している状態」1)と定義されている.しかし,私自身は,「強度行動障害」という言葉は知っていたけれども,実際にOTとして接することがなく,約20年間を過ごしてきた.
旭川荘には約80の施設がある.年齢でいえば乳児から高齢者まで,そしてその障害は多岐にわたり,身体障害,知的障害,情緒行動障害,認知機能障害等,さまざまな症状を示している.私はこれまで,重症心身障害児・者の施設である,旭川児童院(以下,児童院)にて作業療法を行ってきた.そして,約4年前に知的障害者入所施設の利用者とかかわる機会を得て,現在は派遣というかたちで施設にかかわっている.強度行動障害者とのかかわりを通して,今起こっている行動障害に目を向けるだけでなく,幼児期からの連続した援助の必要性を感じたのでここに紹介する.
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