増刊号 認知症と作業療法
第2章 時期(重症度)別にみる認知症の作業療法の実際
17 —社会資源①—認知症カフェ
苅山 和生
1
Kazuo Kariyama
1
1佛教大学
pp.737-743
発行日 2015年6月20日
Published Date 2015/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200285
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
認知症カフェとは
認知症カフェは,2012年(平成24年)6月に厚生労働省が示した「今後の認知症施策の方向性について」1)とそれに基づく「認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)」2)の中で,家族支援の充実の一環としてその普及が明示された.本文には,認知症カフェとは「認知症の人と家族,地域住民,専門職等の誰もが参加でき,集う場」と記されてはいるが,いまだ明確な定義も運営指針もない.イングランドのメモリーカフェ,オランダのアルツハイマーカフェ等の成果をヒントに,家族支援ならびに地域づくりを推進する狙いまでは意図されていたが,わが国での実態は当時厚生労働省も把握できてはいなかった.そこで,公益社団法人 認知症の人と家族の会(以下,家族の会)が老人保健健康増進等事業として2012年度に,認知症の人と家族が安心して集える場としての認知症カフェ,およびそれに類する場を調査し報告書をまとめた3).筆者も調査研究委員として加わる機会を得たことと,そのつながりから後述する京都認知症カフェ連絡会(以下,連絡会)にも世話人の一人としてかかわっていることから,認知症カフェの現状と未来を整理する.
Copyright © 2015, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.