増刊号 認知症と作業療法
第2章 時期(重症度)別にみる認知症の作業療法の実際
19 —社会資源③—「家族の会」と作業療法士の役割について
千葉 未佳
1
Mika Chiba
1
1有限会社在宅支援チームフォーレスト フォーレスト訪問看護ステーション
pp.750-754
発行日 2015年6月20日
Published Date 2015/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200287
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はじめに
これまで,認知症の人は精神科病院や施設を利用せざるを得ないという考え方が主流であったが,オレンジプラン策定により「認知症になっても本人の意思が尊重され,できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けることができる社会」1)の実現を目指すとした.今回オレンジプランの軸である7つの施策の1つに「地域での日常生活・家族の支援の強化」1)が盛り込まれた.筆者が世話人の1人として所属する「公益社団法人認知症の人と家族の会」(以下,「家族の会」)は,わが国で最初に家族の立場から認知症介護の社会化を訴えてきた団体である.今回認知症支援の施策に家族支援が初めて盛り込まれ,「家族の会」では大変画期的なことととらえている.また同時に,情勢を踏まえると,自らの役割を再考するターニングポイントの時期ともとらえている.
今回は「家族の会」の紹介および,世話人としての活動からみえてくるOTの役割についてあらためて考えてみたい.
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