連載 コグトレ—みる,きく,想像するための認知機能強化トレーニング・第1回【新連載】
覚える
宮口 幸治
1
Koji Miyaguchi
1
1宮川医療少年院
pp.56-58
発行日 2015年1月15日
Published Date 2015/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200105
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はじめに
コグトレ(Neuro-Cognitive Enhancement Training:N-COGET)は認知機能の強化を目的としたトレーニングです.認知機能とは,記憶,知覚,注意,言語理解,判断・推論といった,いくつかの要素が含まれた知的機能を指します.わかりやすくいえば,五感(みる,きく,触れる,匂う,味わう)を通して外部環境から情報を得て整理し,それを基に計画を立て実行し,さまざまな結果をつくり出していく過程で必要な能力であり,人がよりよく生きるための機能であるといえます.認知機能は,受動・能動を問わず,すべての行動の基盤でもあり,教育や支援を受ける土台でもあるのです.
コグトレはそのような認知機能を強化するために知的なハンディをもつ子どもたち向けに開発しました.コグトレは,それぞれの認知機能の要素に対応させ,「覚える,数える,写す,見つける,想像する」の5つの分野をターゲットとしたトレーニングから成ります.内容からして子どもだけでなく,認知症の予防や神経心理学的リハにも幅広く使用できます.本連載では,5つのトレーニングの一部を順にご紹介していきます.
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