連載 凸凹さをもつ人たちへ「みる,きく,感じる,考える」ための支援ガイド・第1回【新連載】
認知機能の弱さとトレーニング
宮口 幸治
1
Koji Miyaguchi
1
1宮川医療少年院
pp.909-915
発行日 2013年7月15日
Published Date 2013/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100219
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はじめに
精神科作業療法が扱う対象疾患は多岐に渡ります.統合失調症や認知症,頭部外傷後遺症,気分障害,発達障害等,多くの精神疾患が対象になります.また病院だけでなく学校現場にも従事されておられるOTの先生方は,発達障害の課題が増加の一途をたどり,教育現場を困難にしていることにお気づきでしょう.治療の技法には医師が行う薬物療法に加え,認知行動療法,認知リハ,運動,工作,園芸,音楽,娯楽等を駆使して,日常生活のほぼすべてといえる範囲のリハを扱います.しかし,対象者への支援がすべてうまくいくかといえば決してそうではありません.うまくいかないケースの対応に,医療のみならず教育現場でも四苦八苦しているという話をよく見聞きします.実は,それらのうまくいかないケースには共通点がみられます.
本連載ではそれらの共通点とその背景についてご説明し,具体的な支援策をご紹介していきたいと思います.もともとは学校教育への支援を念頭に置いたものですが,精神科作業療法の領域でも十分に応用できるはずです.
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