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特集 触法障害者・触法高齢者への支援と作業療法
障害のある受刑者の支援と作業療法
Occupational therapy and support for sentenced inmates with disabilities
上原 央
1,2
Hisashi Uehara
1,2
1播磨社会復帰促進センター
2OSSサービス株式会社
pp.1101-1105
発行日 2014年10月15日
Published Date 2014/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200006
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Key Questions
Q1:官民協働で運営するPFI刑務所とは?
Q2:障害のある受刑者に対する刑務所のかかわりとは?
Q3:障害のある受刑者の支援における作業療法の役割とは?
はじめに
障害があるがゆえに社会に適応できず,福祉的な支援がないままに,罪を犯す人がいることをご存じだろうか.多くは生活苦から窃盗等の軽微な犯罪を繰り返し,刑務所に収容される.浜井1)は「セーフティーネットが十分に機能せず,社会が不寛容,排他的になれば,居場所を失った人々が行き着く場所が刑務所」であると述べている.障害がある受刑者はまさに社会のセーフティーネットから外れた人たちである.そのような障害がある受刑者に対して,再犯防止と出所後の社会生活を見据えてどのような支援を行うかは,非常に重要な課題といえる.『平成25年版犯罪白書』2)によれば,2012年(平成24年)における入所受刑者のうち,精神または知的障害を有すると診断された人の比率は9.6%といわれている.しかし実際には,診断を受けていない受刑者を含めると,刑務所に障害がある受刑者が収容されている割合は意外に多いと感じている.今回,筆者が勤務する播磨社会復帰促進センター(以下,当センター)でのさまざまな取り組みを紹介し,障害がある受刑者に対する支援と作業療法の役割について考えたい.
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