連載 人を癒す自然との絆・7
受刑者の心のリハビリと動物
大塚 敦子
pp.146-147
発行日 2010年2月15日
Published Date 2010/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101737
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前号,前々号で,介助犬を育てる少年更生施設について書いたが,今回はアメリカの刑事施設で介助犬を訓練するプログラムの草分けとなったワシントン州の「プリズン・ペット・パートナーシップ・プログラム」(以下PPPP)を紹介したい.
PPPPが産声を上げたのは1982年.州政府に設立を働きかけたのは,かつてドラッグやアルコールに溺れ,いくつもの更生施設を出たり入ったりした過去を持つ女性で,心を許せた相手は自分の犬だけだったという自分自身の経験から,刑務所に介助犬育成プログラムを導入することを思いついたのだった.彼女の訴えに動かされ,州矯正局,ワシントン州立大学獣医学部,それに地元のコミュニティ・カレッジが参画し,最重警備女子刑務所「ワシントン・コレクションズ・センター・フォー・ウイメン」でプログラムが始まったのである.
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