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特集 刑務所から保護観察までの作業療法
作業療法士による刑務所出所後等のオンライン支援—Go-Go-OT-Net
Online support for persons released from prison by occupational therapy: Go Go Occupational therapy Net
𠮷田 裕紀
1
,
上原 央
2
Yuki Yoshida
1
,
Hisashi Uehara
2
1常葉大学
2姫路医療専門学校
pp.312-317
発行日 2022年4月15日
Published Date 2022/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202929
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Key Questions
Q1:なぜ刑務所出所者への支援が必要か?
Q2:Go-Go-OT-Netとは?
Q3:刑務所出所者の支援でOTができることは?
はじめに
作業療法の対象領域に司法分野がある.読者は司法分野と聞くとどのようなイメージをもつだろうか.多くの方は「医療観察法」下の作業療法を想像されるかもしれない.実は,OTが司法分野において活動する場所は,近年,広がりをみせている.医療観察法以外にも,刑務所に勤務するOT,保護観察官や保護司として活躍するOT等,一口に司法分野といっても,さまざまな場所で活躍するようになってきた.筆者(上原)が刑務所に初めて勤務した12年前は,ほとんどいなかったが,現在では,多くの刑務所にOTが配属されている.OTが,罪を犯した障害のある対象者(以下,対象者)に対して,受刑中から再犯防止や社会参加の視点で障害特性に合わせた働きかけを行うことは,これまでの刑務所処遇とは異なり,その意義は大きい.
一方,出所後はどうだろうか.日本では再犯者率の高さが喫緊の課題となっており,彼らが受刑に至る前に支援体制を整えることはできないのだろうか.筆者らは,このような疑問をもちながら,作業療法を実践してきた.
そこで今回,出所後の支援(出口支援)や受刑させないための支援(入口支援)に対して,「リハビリの専門家による触法障害者に対する刑務所出所後等のオンライン支援を進める会Go-Go-OT-Net」(以下,Go-Go-OT-Net)を立ち上げた.本稿では,出所者の現状と支援の必要性について言及したうえで,Go-Go-OT-Netの説明を行い,今後の支援の可能性について考える.
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