講座 集団の力の活かし方・第1回【新連載】
総論 集団リハビリテーション
澤 俊二
1
Shunji Sawa
1
1藤田保健衛生大学
pp.855-860
発行日 2014年7月15日
Published Date 2014/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100597
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はじめに
OTは集団を治療に活用する名手であると言われてきた.集団の力を活用して,個人の治療をすることに長けていた.集団作業療法である.1974年(昭和49年)(簡単40点,複雑80点)から続いてきた身体障害作業療法の「簡単」(集団)は,2002年(平成14年)からは,「個別療法」と「集団療法」に名称変更し,その後,2006年(平成18年)の診療報酬改定で「集団療法」が削除された.筆者は,新聞(朝日新聞)に投書をしたり,一般社団法人 日本作業療法士協会(以下,OT協会)の総会で復活を訴えた.OT協会は懸命に動かれた.しかしながら,STでは復活したが,OT,PTでは認められなかった.OTの治療上「集団療法」は必要である.ゆえにOTは,今の制度の中でいかに集団を活用すべきかを呻吟している.ただ,精神科作業療法は,1974年から「集団」のみで個別が認められず,違う苦悩を味わっておられるが.
今回,「『集団』の力の活かし方」のテーマで講座を6回開講する.社会適応を支援しようとするOTにとって復活をさせなければならない「集団療法」である.この講座で「集団」を考え,臨床で活用しようと思っていただけるなら望外の喜びである.
第1回は,集団の力について,また,「集団リハビリテーション」について総論を述べる.
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