食と保健指導 地域小集団における保健活動の評価尺度(4)
集団概念
豊川 裕之
1
1東京大学医学部保健学科疫学教室
pp.532-535
発行日 1974年8月10日
Published Date 1974/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205508
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はじめに
本誌第29巻第8号,9号,10号に3回にわたって,本題の小論文を発表した。これからそこで説明の不十分であったことや,まだ触れられなかった点を補ない,さらに具体例などを挙げながら,地域における保健活動に私の立場から寄与したいと考え,編集者のたってのおすすめもあるので再び筆をとることに致します。
さて,地域集団は広い意味をもっていて,学校,事業所,施設などは,すべてこの地域集団の中の一部と考えることができる。地域集団の中から,年齢的に6歳から12歳までの児童を寄り集めた教育のための集団が小学校であり,給料を代償として,ある製品を生産するために契約を結んででき上がった集団が事業所職員の集団である。したがって,事業所の場合は15歳以上の男女が,給料の取得ないし生産に従事するという目的で集まった"目的集団"である。学校の場合は,もちろん教育を受けるという目的で集まっているけれども,それと同時に,あるいはもっと強い意味での"年齢集団"でもある。
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