特集 「環境」と作業療法
扉
遠藤 真史
1
,
竹内 さをり
2
1NPO法人那須フロンティア 地域生活支援センターゆずり葉
2甲南女子大学
pp.811
発行日 2014年7月15日
Published Date 2014/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100586
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特集にあたって
私たちは「鳥の目」と「虫の目」を使って「環境」を調べ,調整し,つくり,点検していくことができる.「鳥の目」とはつまり,鳥瞰的に日本を,いや世界を見渡していく広い視野(マクロの目)であり,その土地の生態系をみることや仕組みについて考えていくこと等,何事もニュートラルにあらゆるものにアンテナを張っていくことである.「虫の目」とは,具体的に目の前にいる対象者の心身機能の評価,生活状況のアセスメント等の多くの情報を精査し,必要な要素に絞り込み,優先順位をつけてライフプランや具体的な支援を展開することである(ミクロの目).
今回の特集では,その「鳥の目=鳥になって,羽ばたき広がる視野をもつ自分」,「虫の目=虫になって,目の前のことをコツコツと動く自分」を想像しながら,人が生活する2つの「目」の狭間にあるさまざまな「環境と作業」について考えていく機会となることを期待している.2つの「目」が相乗効果を生み出し,対象者が希望する生活への支援が,OTにはできるのである.
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