Japanese
English
特集Ⅱ 自閉症スペクトラムの感覚・運動・行為の障害
自閉症スペクトラムの運動・行為に対する支援―個別治療を実施した事例を通して
Support for executing movements and actions in autism spectrum disorders:a case study
小松 則登
1
,
籔押 佐永巳
1
,
香村 朱美
1
,
坂 洋子
1
Norito Komatsu
1
,
Saemi Yabuoshi
1
,
Akemi Koumura
1
,
Yoko Ban
1
1愛知県心身障害者コロニー中央病院
pp.1019-1024
発行日 2013年8月15日
Published Date 2013/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100246
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Key Questions
Q1:自閉症スペクトラムの運動・行為に対する支援にはどのようなアプローチがあるか?
Q2:自閉症スペクトラムに対する粗大運動を用いた作業療法とは?
Q3:粗大運動発達とコミュニケーション能力の関連はあるか?
はじめに
この手紙(図1)は,筆者が本稿で紹介させていただく児が7歳(小学校2年生)のときに曾祖父の葬儀に際し書き上げたものだ.“コミュニケーション”というと音声言語でのやり取りを想像することが多いが,このように文字での表現もコミュニケーションスキルを要する.この手紙のように伝えたい気持ちを何らかのかたちで表現できるようになることは,形式だけをただ繰り返し練習することだけでは説明がつかない.また「コミュニケーションスキル」というような安易な言葉のみでは人の行為の本質に到底たどり着くことはできない.今回,粗大運動を用いて身体に直接働きかける作業療法とその先にある人間行動の発展について経験する機会があったので以下にまとめる.
Copyright © 2013, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.