特集 OTの臨床実践に役立つ理論と技術―概念から各種応用まで
第3章:筋・骨格系に関するもの
2.キネステティクス®概念を道具として用いて―動きの資源へのアプローチ
西畑 美幸
1
,
海尾 美年子
1
1福岡ひとにやさしい介助を考える会
pp.681-688
発行日 2013年6月20日
Published Date 2013/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100177
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はじめに
OTは,生活に支障をきたしているあるいはきたすことが予測される人の自立支援や予防のためにリハを実施している.「日常生活の諸動作や仕事,遊びなど,人間に関わるすべての諸活動を『作業活動』と呼び,治療や援助もしくは指導の手段」1)としている.
キネステティクス®では,われわれが生きていくうえで必要な動きのことを「活動」と呼ぶ.呼吸をする・食べる・寝る・座る・歩く・ドライブする等,何をするときでも人は,常に動いて「活動」をしている.そして,この活動の「動きの質」をよくすることができれば,健康増進へとつながっていく.「動きの質」を向上させるため,介助者は,本来の人間の機能構造にかなった自然な動きを援助することが大切である.
よりよい動きの援助をするために「動きの感覚」を使った人の動きの教育プログラムであるキネステティクス®は,「作業活動」ともいえる「活動」に焦点を当てており,作業療法にも有用な概念であると考えられる.そのために,OTの方にも学習していただけたらと思う.
今回は,キネステティクス®の概念の中から筋・骨格系に関する概念を中心に紹介していきたい.
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