特集 泌尿器科,産婦人科,整形外科,呼吸器外科における技術認定—審査の実際と採点のポイント
呼吸器外科—腹腔鏡下肺葉切除・縦隔郭清の評価
川原 克信
1
1大分大学医学部腫瘍病態制御講座
キーワード:
腹腔鏡下肺葉切除
,
技術評価
Keyword:
腹腔鏡下肺葉切除
,
技術評価
pp.147-154
発行日 2006年4月15日
Published Date 2006/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426900681
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はじめに
今日,本邦では胸腔鏡下手術が呼吸器外科の分野で重要な位置を占め,全国で広く行われていることは周知の事実である.このたび呼吸器外科専門医制度規則が改訂されることになり,初回申請に必要な研修実績として「全国あるいは地方開催の胸腔鏡セミナーに2回以上参加していること」が義務付けられる.現在,日本呼吸器外科学会の主催で年2回,胸腔鏡セミナーが開かれているが,人数に制限があり受講を希望する医師をすべて受け入れることができない.そこで日本呼吸器外科学会では,全国を北海道,東北,関東・東京,中部・北陸,関西・近畿,中国・四国,九州の7地域に分け,地域ごとに胸腔鏡セミナーを年に数回開催することになった.
当面は地域ごとに各々数名の指導者を選定し,ドライラボ,アニマルラボを中心に技術指導に当たってもらう.しかし現時点では指導者によってアプローチの方法や技量に差があり,セミナーでのカリキュラム内容や程度に地域差が生ずることは否めない.また,このたびの規則改訂では,呼吸器外科専門医の初回申請には,胸腔鏡下手術を20例以上経験していることが必要である.呼吸器外科専門医を目指す医師の教育カリキュラムを統一し,適切な教育,指導が受けられるようにしなければならない.そのためには胸腔鏡下手術の指導医師の技術向上と育成が今後の重要な課題であり,指導医師としての技量を認定する必要がある.
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