特集 消化器一般外科における技術認定—審査の実際と採点のポイント
大腸
小西 文雄
1
1自治医科大学大宮医療センター外科
キーワード:
腹腔鏡下大腸手術
,
ビデオ審査
,
技術認定
Keyword:
腹腔鏡下大腸手術
,
ビデオ審査
,
技術認定
pp.59-62
発行日 2006年2月15日
Published Date 2006/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426900668
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はじめに
近年の大腸領域における腹腔鏡下手術の普及にはめざましいものがある.しかし,腹腔鏡下胆嚢摘出術と異なり,その普及のスピードは緩徐であり,腹腔鏡下大腸癌手術は1993年に導入されて以来,約10年を経てやっと標準的な適応と術式が確立されてきたと思われる.本術式は,技術的な難易度が高いものと考えられており,安全な手術を施行するためには十分な技術的な修練を必要とする.大腸切除のみならず,腹腔鏡下手術一般の技術的な習熟に関して,世の中から要請や批判がよせられてきたことは周知の通りである.われわれ腹腔鏡下手術に携わる外科医の間で,技術評価は大きな課題として論議されてきた.このような流れのなかで,2001年以来討議されてきた日本内視鏡外科学会の技術認定制度が,消化器一般外科領域で2004(平成16)年からスタートした.基本的には無編集のビデオで技術認定を行うものであり,海外にも類をみない新たな試みである.
本制度では,臓器別に応募を受けることになっており,胃,大腸,食道,胆道,脾臓,副腎,腎臓,乳腺,甲状腺,ヘルニアの各臓器(疾患)が設定された.昨年は第1回の技術認定を行った.審査側も種々の問題点を抱えながら審査の過程を進み,2005年6月に最終的な認定結果が出された.技術認定委員会における大腸担当の委員として,大腸部門の技術認定の審査過程と結果,また,そのなかで生じた問題点を述べる.
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