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腹腔鏡下手術にて脾臓を温存しつつ切除しえた脾動脈瘤の1例を経験したので報告する.患者は62歳,女性.腰背部痛を自覚し近医の整形外科を受診した際に,腹部X線にて左上腹部の石灰化を指摘された.CTや血管造影などの精査にて2.5×1.7 cmの脾動脈瘤と診断した.2004年8月24日に手術を施行した.ほぼ右側臥位の状態で5本のポートを用いて脾臓と膵尾部を?離・脱転し,膵臓と脾臓の間に約3cmの動脈瘤を認めた.炎症性の癒着は軽度で,動脈瘤を慎重に?離し,1本の流入血管と2本の流出血管をそれぞれ3回クリッピングし,脾臓の色調に変化のないことを確認したのち,腹腔鏡にて動脈瘤を切除した.術後のCT検査にて,動脈瘤は完全に切除され,かつ脾梗塞などの合併症も発症せず,術後経過は良好で9月10日に退院した.組織学的には動脈硬化性動脈瘤であった.動脈瘤の再発はなく経過観察中である.脾動脈瘤に対する治療の必要性やその方法についてはいまだ統一された見解はないが,症例を的確に選べば腹腔鏡下手術でも脾臓を温存しながら脾動脈瘤を切除することが可能と思われた.
Indications for intervention in the treatment of splenic artery aneurysm remain controversial. Here we report a case of splenic artery aneurysm that was successfully resected laparoscopically without splenectomy. A 62-year old female was admitted to our hospital with a splenic artery aneurysm, complaining of back pain. A CT scan and an angiogram showed the aneurysm was 2.5×1.7 cm in size and arose from the lower branch of the splenic artery at the splenic hilum.
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