基本手技シリーズ・14
トロッカーの挿入部位—乳腺の場合
山形 基夫
1
,
三上 元
1
,
佐藤 一雄
1
,
長谷川 哲夫
1
,
岩井 重富
1
1日本大学医学部第3外科
pp.200-203
発行日 2000年4月15日
Published Date 2000/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426900127
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乳腺内視鏡下手術におけるトロッカー配置の基本
乳腺内視鏡下手術は,腹腔鏡下手術や胸腔鏡下手術のような既存の体腔を対象とした体腔内での内視鏡下手術と異なり,剥離バルーンなどにより新しく腔を形成し,その中で施行するため10〜15cm四方の比較的狭いスペースでの手術となる.したがって,トロッカーの挿入にあたっては,操作トロッカーの位置が作製した腔の辺縁近傍に位置し,カメラポートが中心,または操作ポートを底辺とした二等辺三角形の頂点に位置させることが各トロッカーの干渉を防止するうえで重要である.加えて,体表から腔までの距離が長いとトロッカーの可動性が制限され,鉗子の操作性が著しく不良となるため注意を要する.また使用する鉗子類は短いものを使用することが基本で,腹腔用鉗子を使用する場合には支点が先端に偏位するため,てこの原理により,先端にかかる力が増加することを念頭におく必要がある(図1).
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