手術テクニック
肝疾患に対するマイクロウェーブの有効な使用法
田伏 克惇
1
,
酒部 克
1
,
上野 昌樹
1
,
辻 毅
1
,
堂西 宏紀
1
,
庄野 嘉治
1
1国立大阪南病院外科
pp.76-79
発行日 2000年2月15日
Published Date 2000/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426900110
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はじめに
最近の腹腔鏡下手術の進歩はめざましく,多くの疾患に適応が拡大された.しかし,遠隔的な手術のため豊富な血流をもつ臓器である肝臓などに対しては,確実な止血・凝固機能をもつ手術器具が必要である.われわれは,肝嚢胞,肝癌,肝血管腫といった疾患に対して腹腔鏡下手術を行い,この際,従来より肝手術に強力な止血・凝固能を有するマイクロ波凝固装置(以下,MW)を使用している1).
マイクロ波は,組織内の水分子などの有極性分子運動の際に生じた摩擦熱により組織凝固を引き起こす.このため,照射された組織は確実に凝固を起こす.本稿では,MWを用いた腹腔鏡下肝嚢胞開窓術,腹腔鏡下肝腫瘍凝固壊死療法,腹腔鏡下肝切除術について述べる.
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