マスターしよう検査技術
マイクロウェーブを利用した病理組織標本の作りかた
五十嵐 久喜
1
,
加茂 隆春
1
,
太田 勲
2
,
椙村 春彦
1
,
喜納 勇
1
1浜松医科大学第一病理
2実験実習機器センター電子顕微鏡室
pp.1011-1016
発行日 1993年11月1日
Published Date 1993/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901728
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マイクロウェーブ(MW)照射による生物試料固定が1970年にMayers1)によって報告されて以来,今日まで数多くの研究が行われてきている2〜3).MW固定とは2,450MHzの電磁波によって分子運動を活発化させ,それに伴い,組織の蛋白を熱凝固させる方法である.この固定の最大の利点は,形態および抗原性の保持に優れる一方,光顕ならびに電顕標本の固定時間が大幅に短縮となったことであり,したがって,日常病理診断業務の迅速化に役立つものと思われる.最近では,MWを使った染色法や,加熱処理で抗原性の回復を図る4)など応用範囲も広い.現在,医科学専用機(BIO-RAD社,日新EM社,.エイコー社など)が市販されているが,本稿では,一般家庭用電子レンジを利用した,光顕および電顕標本の固定,免疫組織化学における抗原性の賦活化などについて解説する.
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