手術テクニック
肺気腫に対する胸腔鏡下lung volume reduction surgeryのポイント
津田 透
1
,
伊良子 光正
2
,
千原 幸司
1
1静岡市立静岡病院呼吸器外科
2若鮎北島病院呼吸器外科
pp.466-469
発行日 1999年10月15日
Published Date 1999/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426900073
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体位とポートの場所
減量部位(target area:以下,TA)が上葉か下葉かが決定要因である.すなわち,上葉であれば,TAの部位に応じて側臥位から仰臥位まで症例ごと選べばよい.両側lung volume reduction surgery(以下,LVRS)の予定であれば,両上腕あるいは片上腕を挙上した形で懸架台に固定し,TAが背側に多いほうの背部に敷布を置き,半側臥位で固定しベッドを回転させて仰臥位,側臥位の体位で可能である1).ポートは野球のホームベースに例え,観察口を本塁,切除部位を二塁,操作口を一塁,三塁の位置に挿入する.胸骨正中切開LVRSで困難である左下葉にTAがある場合に,胸腔鏡下LVRSはその長所を発揮する.S8からS9,10,一部S6にTAがあることが多いので,形態的に上方が先細りの上葉とは異なり,横隔膜面へ末広がりの台形の肺を切除することとなり,必須となる肺靱帯の切離も考慮するとポートの位置は次のようになる.
操作口の位置はS8からSl0までの区域切除のイメージで決める.切除方向と操作口は同一直線上にあるように,前腋窩線上第6肋間(A)と背側傍胸椎第8〜10肋間に肺の把持や肺靱帯切離に必要なもう1個のポート(C)を作り,腹側に立って第8肋間前腋窩線あたりに観察口(B)を作ると直視下の感覚が得られる(図1).第6肋間を観察口としてもよい.
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