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腹腔鏡下手術は,低侵襲,手術器具の発達などにより,適応が拡大されつつある.イレウス手術もその1つであり,診断目的および治療としての応用が可能となってきた.手術適応となる症例は機械的イレウスが中心で,気腹を要することや開腹手術より時間を要することから,バイタルサインが安定していることが必須条件である.なお,手術に際しては十分なインフォームド・コンセントが必要であることはいうまでもない.手術の難易を左右する因子は,いかに十分な視野を確保することができるかである.イレウスチューブは治療のみならず,閉塞部位診断や減圧による視野確保を行うことが可能なため有用である.第1トロッカーの挿入部位は,腸管損傷を防止するため種々の画像診断をもとに決定し,小切開開腹術にて挿入する.イレウスにおける腹腔鏡下手術は,腹腔内操作の有効性にとどまらず,体外操作が必要になった際には低侵襲にて腹腔鏡補助下手術を行い得る利点がある.合併症については,腸管壁が浮腫状で脆弱であるため腸管損傷が最も多く,愛護的操作が特に要求される.イレウスでは技術的に困難をきわめることもしばしばであり,開腹への移行を躊躇するべきではない.
Indication of laparoscopic surgery is extending due to advancement of surgical tools, etc. An operation for ileus is one of them, and the technique has become applicable for diagnosis and treatment. Mechanical ileus cases are the principal surgical indication, and stable vital signs are an essential condition, since in laparo-scopy, the intraperitoneal pressure must be kept high, and also because it consumes more time than laparo-tomy. It is needless to say that a full informed consent is required for surgery. The factor affecting feasibility of surgery is how to secure a sufficient visual field.
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