シリーズ 早期癌を見直す・1 早期胃癌・3
早期胃癌の内視鏡的治療—現況と将来—2)胃m癌に対する腹腔鏡下手術—EUSによる術前深達度診断と手術適応
栗原 直人
1
,
大上 正裕
1
,
村山 良彦
1
,
大谷 吉秀
1
,
久保田 哲朗
1
,
熊井 浩一郎
1
,
杉野 吉則
2
,
北島 政樹
1
Naoto KURIHARA
1
1慶應義塾大学医学部外科
2慶應義塾大学医学部放射線科
pp.935-940
発行日 1995年7月20日
Published Date 1995/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407905280
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はじめに
早期胃癌の治療においては,根治性の追求はもとより,術後のquality of life(以下,QOL)の向上も重要な課題である.教室では,以前より縮小手術(D1リンパ節郭清+2/3幽門側胃切除)や内視鏡的粘膜切除術(EMR)などの縮小治療をその妥当性と合理性を十分検討したうえで導入してきている1,2).
特に胃m癌では,教室ならびに他施設における胃癌切除例の検討から,リンパ節転移率が2〜4%であり,かつ転移陽性群の選定もほぼ可能であることから3-5),1992年から低侵襲性と根治性を併せ持つ新しい治療法として,腹腔鏡下胃局所切除術や腹腔鏡下胃内粘膜切除術などの腹腔鏡下手術6-9)を導入している.これらの治療法選択にあたり,従来の上部消化管X線検査,上部消化管内視鏡検査に加えて,より高い正診率を期待して周波数の高い超音波内視鏡検査(endoscopic ultrasonography:以下,EUS)を導入してきた.
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