特集1 救急医療のリベラルアーツ 救急医ルートの多様性と現実解【前編】
4.Ph.D.への挑戦が,ゼロからイチを生み出す力を向上させる
小倉 崇以
1,2
Takayuki OGURA
1,2
1済生会宇都宮病院 救急・集中治療科
2栃木県救命救急センター
pp.226-231
発行日 2023年9月25日
Published Date 2023/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3105200075
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医師は博士号(Ph.D.)を取得すべきなのか。これは古くて新しい問題である。昔から,医師に限らず博士号は「足の裏についた米粒」であると言われてきた。その心は,「とっても食べられないが,とらないと気持ち悪い」という例の謎かけであるが,本当にそうなのだろうか。
後述するとおり,筆者はいわゆる論文博士(論博),つまり救急現場で働きながら論文を書いてPh.D.を取得した者のひとりだ。一般的な博士号の取得方法とは言いがたいが,「答えのない課題を発見し,解決するために研究を行うこと」自体は,博士号取得において重要な共通項だと考えている。
本稿ではPh.D.の意味や取得方法を整理し,その本質にも迫ることで,医師として活躍の幅を広げ,これからの時代をクリエイティブに生きていくためのヒントとしていただけたらと思う。
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