特集2 ERスタンダード 心肺蘇生—まさかの! ガイドラインが使えないとき,あっても悩むとき
【Part 3】番外編
【コラム】一般市民参加を促す社会的工夫—救命意欲を高める教育とスマホ活用で救命率を向上させる
西山 知佳
1
Chika NISHIYAMA
1
1京都大学大学院医学研究科 人間健康科学系専攻 クリティカルケア看護学分野
pp.164-168
発行日 2023年6月25日
Published Date 2023/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3105200061
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心停止は,突然いつでも,どこでも,誰にでも起こる。その場に偶然居合わせた市民(バイスタンダー)には,秒単位での迅速な心肺蘇生(CPR*1)と自動体外式除細動器(AED*2)を用いた電気ショックといった救命行動をとることが求められるが,市民にとってそれらの実施は容易ではなく1),十分に実施されているとは言い難い。
JRC*3蘇生ガイドライン20201)の第9章「普及・教育のための方策」では,心停止患者の救命率向上には,科学に基づいた取り組みを地域社会へ“普及”させ,医療従事者のみならず市民への“教育”を進めることで,救命の連鎖を機能させる必要があると強調されている。本稿では,市民が救命行動をとる際に生じる障壁,および市民の救命意欲を高め救命行動を促すための戦略や工夫について述べる。
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