特集2 ERスタンダード 心肺蘇生—まさかの! ガイドラインが使えないとき,あっても悩むとき
【Part 2】コントラバーシャル編
3.最善のプレホスピタルケアとは—救急隊との分業・連携を意識した心停止対応の勘所
金畑 圭太
1
Keita KANEHATA
1
1前橋赤十字病院 高度救命救急センター 集中治療科・救急科
pp.102-108
発行日 2023年6月25日
Published Date 2023/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3105200053
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ドクターカーやドクターヘリといった病院前救急診療(プレホスピタルケア)で共通するメリットは「早期医療介入」,つまり傷病者が病院に到着する前から診療を開始できることであり1),心停止傷病者に対するアドレナリン投与で強調されるような「早さ」を最大限に提供しうる点である。本稿では,救急隊のみでの活動との違いを紹介しつつ,医師が救急隊とともに活動するコツも紹介する。
なお,ドクターカーには車両の種類や待機場所,乗車する医療スタッフの人数や職種,要請基準,さらには運用する母体などさまざまな運用形態がある。本稿ではドクターカーの運用方式*1は主旨でないため詳細は割愛し,筆者が勤める前橋赤十字病院(以下,当院)と同じ方式(消防局所有の救急車と救急隊1隊が病院に待機する「ワークステーション方式」で,医師1人,看護師1人が乗車する)を例とする。
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