特集1 救急医療のリベラルアーツ 働き方改革の本質と戦略
【Part 1】2024年,改正労基法がやってくる!
5.救急における教育の「今と未来」
舩越 拓
1
Hiraku FUNAKOSHI
1
1東京ベイ・浦安市川医療センター 救急集中治療科 救急外来部門
pp.40-47
発行日 2022年11月25日
Published Date 2022/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3105200007
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
救急医療は数少ないトップランナーがいれば成り立つわけではなく,24時間その地域を支えるために一定数の人材が必要である。そのための人材の獲得は,地域(もしくはその部門)のシステムの存続に直結する。
人材確保を行おうとするなら,教育環境が充実していることは重要な要素となるはずだが,働き方改革により労働時間が短くなって最初に影響を受けるのは,教育を行う時間である可能性は高い。すなわち,教育をさらに効率化する必要性に迫られることになる(図1の②)。
さらに,厚生労働省の働き方改革はもう1つの視点から,医師の教育を見つめ直す必要性を突きつけている。つまり,教育する側もされる側もそれが労働なのか,という点が議論され,教育が“work”(=労働時間)なのか“life”(=自己研鑽)なのかを区別する必要が出てきたのである。明確な線引きは難しいが,制度上の決まりを確認しながら医師の教育に関して展望してみよう。
Copyright © 2022, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.