別冊秋号 透析と麻酔
PART3 透析患者の合併症と周術期の対処
31 透析患者のかゆみ—慢性腎臓病(CKD)関連瘙痒症
鈴木 倫子
1
1千葉大学医学部附属病院 腎臓内科
pp.223-227
発行日 2023年9月20日
Published Date 2023/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200383
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透析患者にみられるかゆみは,抗ヒスタミン薬や外用薬塗布などの一般的な治療には抵抗性のことが多く,治療や管理に難渋する。かゆみによる不眠から,抑うつや摂食障害,さらには血圧上昇をきたし,QOLを大きく低下させるだけでなく,長期的な生命予後にも影響を及ぼす。かゆみ発症の病態生理については,いまだ完全には解明されていないが,近年オピオイドκ受容体作動薬であるナルフラフィンが開発され,良好なかゆみの抑制効果が得られ1),病態解明の進展にも寄与している。
本稿では,透析患者のかゆみについて,その疫学,病態生理,臨床症状,診断,治療,管理方法について述べる。
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