別冊春号 2023のシェヘラザードたち
第20夜 患者さんが教えてくれたこと—コミュニケーションの大切さ
間宮 敬子
1
1信州大学医学部附属病院信州がんセンター 緩和部門
pp.107-111
発行日 2023年4月24日
Published Date 2023/4/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200340
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LiSAに私の話が掲載されること,光栄に思います。私は,LiSAの大ファンです。私の部屋には今でもLiSA創刊0号があります(図1)。これはメディカル・サイエンス・インターナショナル社が1994年秋にLiSAの発刊前に無料で配っていたものです。この冊子を大学の書店で初めて手に取った日のワクワク感は今でも覚えています。これまでの医学雑誌とはコンセプトを異にするもので,「若さや熱意がみなぎったエネルギッシュな雑誌になる」とありました。あれから30年,今の私は麻酔科専門医,指導医ではありますが,緩和ケアを中心に仕事をしています。手術麻酔とペインクリニック診療は,それぞれ週に1回程度です。
麻酔科では,どちらかというと小児麻酔(小児麻酔認定医です)が専門でした。ずっと手術室で,小児の一般外科の麻酔から心臓手術の麻酔までを行っていた時期もあります。麻酔が苦手なわけではなく,どちらかというと大好きで,今でも麻酔をする外勤日はワクワクします。その後ペインクリニックを中心に活動し,ペインクリニック,漢方,緩和ケアの専門医を取得しています。9年前に信州大学に赴任する直前には医学教育に身をおいていました。
今回,お話しをさせていただくにあたり,どの分野にターゲットを絞ってよいのか迷いましたが,「患者」「コミュニケーション」というキーワードで現在私が主に取り組んでいる緩和ケアに関して,失敗したり,心に残った症例についてお話しいたします。
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