第2特集 看護学生論文─入選エッセイ・論文の発表
エッセイ部門
難病が気づかせてくれた大切なこと
北野 雅代
1
1山陽看護専門学校
pp.718-719
発行日 2014年8月25日
Published Date 2014/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102778
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昨春,准看護師の学校を卒業し進学した私は看護学生として4度目の春を迎えようとしている。進学してからの1年は慣れない環境での生活でめまぐるしくもあったが,1つ1つこなしていったことが身となり,目指すべき看護師へのステップを着実に踏んでいるとも感じる。私自身,ここまで回復できるなんて思いもよらなかった。
思い起こせば約10年前,私は大学生で社会福祉士や精神保健福祉士を目指していた。大学3年生の春休み,極度のしぶり腹や下血,発熱が私を襲った。何軒も病院を巡り私についた診断名は『潰瘍性大腸炎』であった。当時,私はその病気が意味することや病気を抱えて生きていくことの重みが理解できておらず,診断名がついた時ほっとしたことを覚えている。「まあ死なないみたいだし,一生付き合っていくってことだけど,どうにかなるか」とかなり楽観的に捉えていた。
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