別冊春号 2022のシェヘラザードたち
第11夜 Oops!—なんともお間抜けな,ためになるエピソード
道宗 明
1
1日本大学医学部 麻酔科学系麻酔科学分野
pp.65-69
発行日 2022年4月15日
Published Date 2022/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200266
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麻酔科医として働き始めて,気がつけば早や10年以上が経過した。時の流れは残酷で,先日,見た目がそうとうおっさん(失礼!)の整形外科医に「道宗先生って実は卒業年度が僕と一緒だったんですねぇ!」と話しかけられた時は,さすがにショックを受けた。まだまだ若手麻酔科医・ひな壇麻酔科医と自負していた自分も,エヴァの呪縛*1でもないかぎり,寄る年波には勝てないようだ。ついにLiSAシェヘラザードの依頼まできてしまったのだから,これは認めざるを得ないだろう。
「医者は殺した患者の数だけ成長する」という名言(迷言)があるが,これはなかなか言い得て妙だ。いざ自分の記憶をたどってみると,うまく管理できた症例などはほとんど覚えておらず,失敗例のみが強烈に思い出される。決してあやめてしまったわけではないが,私の身の回りで起こった失敗談が若い麻酔科医の糧になれば幸いである。
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