別冊春号 2022のシェヘラザードたち
第5夜 挿管・抜管に纏わる小咄—Game trails to the shoulders of giants
原村 陽子
1
1東京女子医科大学 麻酔科学教室
pp.33-36
発行日 2022年4月15日
Published Date 2022/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200260
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そもそも患者は病院に治療を受けにやって来る。麻酔を受けに来るのではない。だから,麻酔そのもので合併症が起こるようなことは絶対に避けなければならない…というのはどの麻酔科医も思っていることだろう。
ただ,思いもよらないところで足を取られる日もある。エラーが起こることもある。それを避けるには,種々のガイドラインや学会に提供されるドラマチックな症例報告で危機管理を学ぶ…のも十分有用だが,自分のしくじりや身近な他人のつまずきから感じる「同じ轍は踏むまい」という思いもまた,ガイドラインなどと同等かそれ以上の影響を与えられているように思う。心に浮かぶ出来事はいろいろあるが,私のはまった“轍”のごく一部をお話ししよう。
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