別冊秋号 —麻酔科医なら知っておきたい—血栓症・塞栓症
PART3 動脈性血栓
17 脊髄梗塞
石田 和慶
1
,
山下 敦生
2
,
松本 美志也
2
1大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院 麻酔科
2山口大学大学院医学系研究科医学専攻 麻酔・蘇生学講座
pp.121-128
発行日 2021年9月17日
Published Date 2021/9/17
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200233
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脊髄梗塞は患者のQOLと予後を悪化させるため,その発生の可能性を理解し,かつ治療を行い症状の増悪を防止する必要がある。麻酔科医にとって脊髄梗塞は胸部下行,胸腹部大動脈瘤の周術期に起こるという認識が強いが,実際はさまざまな患者背景と手技により脊髄梗塞は起こり得る。ただし,発症頻度や症状経過は同じ中枢神経系の脳梗塞とは異なる。加えて非手術症例での脊髄梗塞の発生頻度は高くないため詳細な検討はなされておらず不明な点が多い。
本稿では,脊髄血流を概説したのち脊髄梗塞について述べる。
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