別冊春号 2020のシェヘラザードたち
第6夜 偶発的硬膜穿刺後頭痛
今町 憲貴
1
1島根大学医学部 麻酔科学講座
pp.31-35
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200121
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周術期の抗凝固療法,低侵襲手術として胸腔鏡下手術,腹腔鏡下手術の普及,また,解像度のよい超音波装置の開発に伴い末梢神経ブロックも盛んに行われるようになり,硬膜外麻酔は必ずしも術中,術後の鎮痛のゴールドスタンダードではなくなってきている。それでも,開腹手術など侵襲の大きな手術では硬膜外麻酔は有用であり,何十年と麻酔をしていても,穿刺の際の緊張感,上手く施行できたときの達成感は研修医の頃と変わりない。
どのような医療行為においてもメリット,デメリットはある。硬膜外麻酔を選択した場合は質の高い鎮痛効果が得られるという利点がある一方,硬膜外麻酔により生じ得る合併症のことも考慮しなければならない。本稿では,私が経験した偶発的硬膜穿刺にまつわる症例を紹介する。
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