別冊秋号 血圧
31 血圧をあやつる—術中降圧薬の使い方
藤原 祥裕
1
,
橋本 篤
1
,
佐藤 祐子
1
1愛知医科大学医学部 麻酔科学講座
pp.187-191
発行日 2019年9月14日
Published Date 2019/9/14
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200108
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術中血圧管理上の注意点
手術操作や気管挿管に伴う組織損傷,侵害刺激は体性交感神経反射を誘発し,交感神経の緊張を介して血圧・心拍数の上昇を引き起こす。過度な血圧・心拍数の上昇は心仕事量,心筋酸素消費量を増加させ,心不全や心筋虚血の引き金となる。血圧上昇は術中出血量を増加させ輸血の必要性を高め,時には術後出血に対する再手術を余儀なくさせるかもしれない。また,血圧上昇は動脈壁への負荷を増大させ,動脈解離,動脈瘤破裂,脳出血などの周術期合併症の誘因となる可能性がある。
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